7年間、地場のハウスメーカーで
住宅設計をしました。
7年も勤めていると
楽しいこと・辛いことを
それなりに経験します。
住宅設計を検討している方に向けて
メリット・デメリットをご紹介します。
自邸の紹介記事はコチラ↓
メリット
住宅設計できる
そもそも論ですが
住宅設計できることがメリットです。
施主の要望に沿って間取りを考え
自分で設計した家が実際に建ちます。
また、地場のハウスメーカーでは
設計・コーディネーターといった役割に
分かれていないケースが多いので
設計1人でやる仕事の比重が大きいです。
間取りの設計から
水廻り・壁紙の仕様決め
工務店との調整など
家づくりに必要なスキルを一通り習得できます。
竣工までの道のりは
一筋縄ではいきませんが
引渡し時の達成感も大きいです。
ぼくは住宅設計が好きだったので
やりがいを感じて仕事ができました。
↓間取りを勉強した本
接客に慣れる
施主との打ち合わせは
考えることが多く
接客力がメキメキ伸びます。
- どんな家を建てたいのか
- 夫婦の好みは合うだろうか
相手の気持ちを考えながら
話を進める必要があるため
めちゃくちゃ頭を使います。
ピークの頃は3件/日の
打合せをしていましたが
燃え尽きるほど疲弊しました。
未経験の方にとっては
不安だと思いますが
「やれば慣れる」ものなので
安心してください。
ぼくはお喋りが苦手ですが
住宅設計を経験したお陰で
接客への抵抗は無くなりました。
デメリット
仕事に慣れてきた3~4年目ぐらいから
住宅設計のデメリットを
感じるようになりました。
年収が低い
生々しい話ですが
地場の住宅設計は年収が低いです。
当時のぼくの年収はこんな感じでした。
- 20~22歳 : 300万円台
- 23~27歳 : 400~450万円
23歳で二級建築士を取りましたが
年収が一気に上ることはなかったです。
ちなみに、設計にも歩合があって、
1棟を引渡したら5万円もらえました。
高そうに見えますが打合せから引渡しまで
8ヶ月はかかるので、歩合だけで年収が
大幅アップすることはありませんでした。
地方ハウスメーカーの設計だったら
400万円台が相場で
良くて500万円台です。
もっと収入アップを狙いたいなら
大手メーカーに就職したほうが良いですね。
当時のぼくはそんなこと知らなかったので
地方メーカーでもできる収入アップを
考えていました。
- 資格を取る
- 担当物件を増やす
- 昇進する
資格手当は充実している会社でした。
- 二級建築士 15,000円/月
- 一級建築士 30,000円/月
- 宅建 15,000円/月
ぼくは二級建築士と宅建は取りました。
一級建築士も欲しかったですが、
住宅業界では「雲の上」的な資格だったし
勉強する時間もなかったので
取る気持ちにはなれませんでしたね。
そんなこんなで人並に暮らしていけるお金は
もらっていましたが、数年も働くと
「自分に適した収入」とは思えない
ようになりました。
- 物件を12棟ぐらい抱えて忙しかった
- 24歳で結婚して長男が生まれた
- 同じ業務の繰り返しで未来が見えなかった
あとは昇進するしか
年収を上げる方法がなかったので
「このままはちょっとな…」と
思うようになりました。
特に、住宅の仕事はお客様の
年収とかが分かるので
「この仕事こんなにもらえるんだ」
という感じで
他の仕事がよく見えている時期でした。
工期に追われる
マイホームは人生で一番大きな買い物です。
住宅の設計は「お客様の人生」を左右する
仕事といってもいいです。
時間をかけて打合せしたいですが
じっくり設計するのって難しいんですよね
(´Д`)
会社としては
「早く竣工してお金がほしい」
というのが本音です。
会議のたびに「いつ着工できるんだ?」と
上司から詰められていました。。。
また、ピーク時には12棟ぐらい担当して
いたので毎日が大忙しでした。
平日にやる仕事はこんな感じでした。
- A様邸:間取りを2案考える
- B様邸:水廻りの修正をメーカーに依頼する
- C様邸:現場打合せの日を現場監督と調整する
- D様邸:引渡しに向けて銀行の予約をする
お客様によって進み具合が違うので、
やることは盛りだくさんです。
(我ながらよく働いたな…)
土日ともなると、打合せが1日に3件も
あるので事務処理はできません。
この頃は22~23時に退社する日が
続いていました。
また、個人のお客様を相手にするので
良くも悪くもお客様の感情が全て
自分に向きます。
ノーミスで竣工することはないので、
常に何かしらのトラブルを抱えていました。
休みが少ない
ハウスメーカーの休みは火曜・水曜が基本です。
ぼくがいた会社は火曜日が隔週休みだったので
実質は週休1.5日でした。
年間の休日が90日というブラックギリギリです。
まとまった連休はお盆や年末ぐらいしか
なかったので、旅行や帰省をしたくても
なかなかできませんでしたね。
平日休みだから役所や病院に行けると
言われますが、そんなに役所には行きません
(´∀`)
それよりも土日のイベントに行けないのが
残念でした。
子供がいる同僚は入学式やイベントに合わせて
有給をとっていましたね。
また、自分が休みでも現場は進んでいるので
現場監督から何かしらの連絡がきます。
スマホは常に持ち歩かないといけないので
心から「休日だ!」という気持ちには
なれませんでした。
仕事の効率化が進まない
これが辞めた一番の理由でした。
住宅業界全体にありがちですが、
仕事の「効率化」があまり進みません。
昔からのやり方を変える習慣がなくて
「もっと楽に仕事したくないの?」と
疑問に思うことがけっこうありました。
- 紙の書類で上司の承認をもらう
- マニュアルがない
- 工務店への発注が複雑
- 形だけの会議が多い
なんとか仕事を効率的に進めようと自分用に
マニュアルを作った時期もありましたが
忙しくて改善できずに終わりました。
工務店への発注については、途中から
専用ソフトを導入してくれました。
ですが操作を覚えるのが難しくて、
当時60歳ぐらいの設計課長が
一番使えないという始末でした(笑)
大手ハウスメーカーならIT化が
進んでいるかも知れませんが、
地方メーカーだと難しいのが現状です。
「良い家を設計したい」という気持ちとの
ギャップにモヤモヤしていました。
おまけ
成長できる
住宅設計のメリット・デメリットを紹介しました。
家は人生の大きな買い物です。
住宅設計では工程に追われたり
施主との折り合いが付かなかったり
苦労することが多いですが
その分やりがいも大きいです。
月並みな表現ですが
一生懸命仕事に向き合えば
社会人として必ず成長できる仕事です。
ぼくは7年間勤めて
そう感じました。
少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までご覧いただき
ありがとうございました。
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