製図試験の基本情報を知りたい
このような方に向けた記事です。
この記事は2020年の製図試験に
一発合格した筆者が書いています。
製図試験は初受験だと分からないことも多い。
基本情報をサッと押さえて試験対策に臨みましょう。
▼動画での解説はコチラ
7つの基本情報
製図対策は短期勝負
学科試験が終わってから製図試験まで、たったの2ヶ月半しかありません。
学科試験では半年~1年ほど勉強したと思いますが
製図試験は2ヶ月半しかないので超短いです。
学科試験が終わったら、すぐに製図対策が始まります。
ホッと一息つきたいのに…
ホント受験生に厳しいスケジュールですよね。
また学科と製図では試験対策の内容が違うので、考え方を変える必要があります。
:学科対策→「勉強」
:製図試験→「練習」
製図試験は、とにかく手を動かして「製図マシーン」になるってイメージですね。
2ヶ月半で作図とかエスキスが
出来るようになるか不安…
という方も多いと思いますが焦る必要はありません。裏を返せば、製図試験は「2ヶ月半でも合格できる試験」というです。
3つの製図力を鍛えれば合格に大きく近づきます。
:エスキス
:作図スピード
:記述
合格率は約35%
製図試験は合格率35%程度です。
3人に1人が合格できる
学科試験の合格率は20%程度なので、35%は高いと感じるのではないでしょうか。
2017~2021年の合格率をまとめました。
10人のうち3~4人が合格する計算です。
これは個人的な感想ですが、受験生全員が真剣に勉強しているわけではないので、体感の合格率はもう少し高いです。
課題文を見落とさず
エスキスで失敗しなければ合格
できる、といった感覚でした。
初受験でも、既受験生のことは気にせず試験対策に取り組んでください。
不合格でも2回リベンジ可
製図試験は、学科試験に合格してから5年以内に3回受験できます。
1回目が不合格でも
あと2回受験できる!
「5年以内」というのは2020年からの新制度です。以前は「3年以内」だったので、より柔軟に受験機会を選べるようになりました。
仕事や学業のスケジュールに
合わせて受験タイミングを
選べるのか
余裕があるのは結構なことですが、個人的には「鉄は熱いうちに打て」です。学科試験に合格した年こそ、製図試験に受かるチャンスだと思います。
試験時間は6時間30分
製図試験は11:00~17:30までぶっ通しのハードな試験です。朝から夕方まで集中した状態なので試験後は体重が1kg減ります。
いつ昼食を食べるん!?
と疑問だと思いますが、答えは「製図しながら」です。
6時間30分があっという間に過ぎる鬼畜な試験なので休憩する暇なんてありません。作図しながら飲食します。
もはやマラソンと一緒。
ひたすらにカロリーを消費するので、持っていくならカロリーが高い菓子パンとか甘い飲み物がオススメですね。余談ですが会場近くのコンビニは混雑するので事前に買っておきましょう。
ちなみに6時間30分の時間配分はこんな感じです。
・課題文の読込み : 30分
・エスキス : 1時間30分
・作図 : 3時間
・記述 : 1時間
・見直し : 30分
資格学校でも、初めはこのような時間配分を進められます。あとは難易度に合わせて調整してきます。
くり返しになりますが
それぞれの行程には
全く余裕がありません。
特にエスキスは難しい課題だと時間がかかるので、時には作図時間を削る判断が必要です。作図は少しでも早くできるよう練習をしていた方が有利です。
いや手書きで作図したこと
なんて無いよ…
という方も多いと思いますが安心してください。資格学校の課題(2ヶ月半で30枚)をこなすだけで作図スピードは身に付きます。
さらにスキマ時間を使ってパーツトレーニングを繰り返していけば3時間での作図は現実的に可能です。
「ランクⅠ」のみ合格
製図試験の採点結果にはランクⅠ~Ⅳの区分があります。
◎ランクⅠ : 合格
△ランクⅡ : 小さなミス
✕ランクⅢ : 大きなミス
✕ランクⅣ : 未完成
合格できるのはランクⅠのみ。その他は不合格となります。
狭き門って感じやな
近年の傾向として、ランクⅠ(合格)以外はほぼランクⅢとⅣに区分される割合が多いです。
要は
「きちんと完成できた人」と
「まったくできなかた人」で
明暗が分かれています。
「図面の完成」が必須
上記のランク制度から、製図試験の合格には「とにかく図面を完成させる」ことが必須です。
解答用紙に空白があると不合格なので、6時間30分で何としても図面を完成させましょう。
満足いくエスキスができなくても
見切り発車して作図に進む勇気が必要です
合格できる人の特徴
製図試験の合格に必要な要素は3点です。
・エスキスの対応力
・作図スピード
・記述の引出し
「当り前のことじゃん」と思われるかも知れませんが、3つともできる人は意外と少ないです。
この中でもエスキスは鬼門で、ここがうまくいかないと次の作業に影響します。
料理に例えるとこんな感じ。
・作図 → 調理する
・記述 → シェフのこだわり
「これだ!」というレシピが決まらないと、調理に移れないですよね。エスキスも同じで、ずっと悩んでいると次の行程に進めません。
「エスキスをまとめる力」が
製図試験の合格を左右します。
余談ですが、ぼくが受験した当時は日建学院の課題と方眼紙を持ち歩いて会社の昼休みなどにエスキスの練習をしていました。
それまでは住宅設計の経験しかなかったので不安でしたが、何度も練習する中でスケール感やゾーニングのコツが身に付きました。結果的に本番でも焦らずにまとめることができました。
練習すれば必ず上手くなるので
安心してください。
おまけ
実務経験は関係ない
製図試験は設計の経験がなくても合格できます。
きっと「設計事務所に勤めている人の方が有利では」と感じる方も多いと思いますが、そんなことは全くありません。
製図試験と
実際の設計は別物です。
製図試験は「課題を読み解いて形にする力」を測る試験なので、実務経験は不要です。
2ヶ月半きっちり練習すれば本番できちんと解答することができるので、気負いすることなく試験対策に臨んでください。
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